MIXの「なじんでる」ってどういう状態?

最近の歌ってみたを聞いてて思うこと

元々歌ってみたが好きということもありますが、Twitterのフォロー・フォロワーさんが歌い手さん・MIX師さんということもあり、よく歌ってみたの動画がTLに流れてきます。

基本的には100いいねを越えている動画をパッと押して再生したりするのですが、どの動画を聞いても「ボーカルが大きい」もしくは「ボーカルがinstにのっかっているだけ」という印象を受けます。

いいねの数が「300」とかを越えてくると動画のクオリティがあがってくる印象があるので、そこらへんから「なじんでる」なぁと感じるように思います。

「いいねの数=クオリティ」ではないですが、この歌ってみた動画に対するインプレッション(いいね・RTの数)に関しては後日記事にします。

話を戻しまして、「なじんでる」と思える動画は少ないように思うのですが皆さんはどうでしょうか??

そもそも「なじんでる」ってどういう音源・状態のこと?

でも上記の「なじんでいない」音源と「なじんでる」音源の差を明確に言語化しようとすると難しいんです。「なじんでる」ということはイコール「浮いていない」ってことですよね。

それを踏まえて抽象的な言葉で説明するなら、「なじんでる」状態って、

・ボーカル(inst)の音色が変じゃない

.・エコーが強すぎない(弱すぎない)

・ボーカルとinstの音量バランスがとれている

状態のことかなーって思います。

「エコーが強すぎない(弱すぎない)」っていうのはまだ具体的な理由だと思うんですが、ボーカルの「音色」っていってもこの言葉だけじゃわかりにくい。あまりにローファイ・ハイファイなEQ調整した音は別として、「ボーカルがのっているだけ」と思う理由って、単純にボーカルの音量がinstに対して大きいことと、中低域~中域の処理が甘い、もしくは残しすぎている(強調しすぎている)ことが理由かなーって思います。

そもそも「歌ってみたのMIX」自体がボーカルを前面に出すような傾向があるので、しょうがない気がするのですが、メジャーシーンのPopsなどと比較すると必要以上に張り付いたような、のっぺりとした印象を受けます

これも聞く側・MIXを依頼する歌い手さんの趣味・趣向なので否定しているわけではないのですが、私的にはなんかもったいないなーと思ってます。

後はボカロPさんが配布するinstが「マスタリング済」の海苔波形のものが多いので、その音圧の中においてもきちんと迫力があるように聞こえさせるためにボーカルもダイナミクス(音量の強弱)をぶっ潰した処理を行わければいけないことも理由にあるのかなーと。

でも今ってYoutube等のラウドネスノーマライゼーションの仕様から昔のニコニコみたいに音圧アゲアゲの海苔波形を作る必要もなくなったので、それならマスタリング済のinstをその分下げてあげれば無理にボーカルのダイナミクス犠牲にする必要もないのでは?と思ったり。

で、これらをトータル的に考えた結果「ボーカルとinstの音量バランス」なんですよね。この適切なバランスってジャンルにもよりますし趣味・趣向にもよります。私的には 5:5 がちょうどいいかなーって思うんですけどね。TLに流れてくるのは 6:4 か最悪 7:3 くらいに聞こえます。

ボーカルが主役なので強調したい理由はわかるのですが、ボカロPさんが作ったinstも大事な曲の要素です。うまいボーカルを全面に押し出すなら聞いていられますが、そうでない場合余計歌い手さん側の実力が目立ってしまいますし、ボーカルとinstが別物に聞こえてしまいます。

具体的にどういった処理が理想なのか

以上のことを踏まえると、どういうことに注意してMIXがされているべきなのか。箇条書きで書き出してみました。

①ボーカル・instともに元の音質から劣化させない

②ボーカルの大きなダイナミクスを適度に整える(圧縮しすぎない・しなさすぎない)

③パート・パート(Aメロ・Bメロ・サビ等)にあった音量に設定する

④適切なEQ処理を施す(過度にボーカルを強調しすぎない)

⑤④まで行ってから、適切な空間処理をする(ディレイ・リバーブ)

⑥リファレンス(参考)音源と比較する

どうでしょう?多分MIX師さんは「こんなこと当たり前にやってるわ」と思うかもしれません。

でも今一度聞き直してほしいのです。⑥番が非常に大切だと思っていて、長時間MIXしていると音の良し悪しの判断が鈍ってくるはずなので、リファレンス音源を毎回準備して、ボーカルの音色やinstとの音量バランス、空間処理それぞれ比較してみてください。それで自身のMIXに間違いがないと思うようであれば今までどおりの感覚でMIXをしていただければと思います。

MIX師さんに依頼をしている歌い手さんに対して言いたいことは、「MIX」という観点で有名歌い手さんの歌ってみた、メジャーシーンで活躍しているPopsと自分の音源を比較してみてください。恐らく自分のMIXしてもらった音源は「ボーカルが大きい」、もしくは「のっているだけ」という印象を受けると思います。

後個人的にはエコー(ディレイ・リバーブ)は特殊な演出をする目的以外、平歌の部分ですね。そこはエコーがかかっていると感じられない(よく聞くとかかってるかな?)くらいがちょうどいいと思います。

MIXに詳しくない歌い手さんに知っておいてほしいことは、ボーカルってほかのギター・シンセ・ドラム等の楽器と比べると曲の静かな部分とサビとで音量差が大きかったり、音程が変わったり音色が変わったりすることから流動的な楽器だと言われます。さらにボーカルは主役であることが大半なので、処理が複雑で丁重に扱わなければいけない楽器です。MIX師さんって毎回時間と労力をかけてMIXしてるはずなんですよ。

それを踏まえ、上記作業の結果が普段もらっている音源であることは頭においておいて欲しいです。